厄介な強迫性障害を克服する!認知療法のアプローチ法について

1日の間に何度もシャワーやお風呂に入ってしまう、外出の時には何度も戸締りを気にしてしまう。そんな「不合理な行動」を取らずにはいれない。そういった一連の強迫行為によって社会生活に著しい障害を起こしてしまう。それが強迫性障害です。

自分自身だけの行為に留まらず、時に家族や友達をも巻き込んでしまう事も少なくありません。そういった強迫性障害に対して認知療法は高い効果を発揮します。

薬を使う事無く薬物療法よりも高い効果を発揮する認知療法は患者にとって大きな助けです。そこで今回は強迫性障害に対する認知療法のアプローチについて紹介をしていきます。

薬物療法より効果的!認知療法のアプローチ

強迫性障害に対する治療法として認知療法の優れた点は「薬を使わない」に尽きます。それでいて薬物療法より高い効果を発揮すると報告されているとても頼もしい治療法です。

治療名称はERP

強迫性障害に対する認知療法のアプローチは「ERP(曝露反応妨害法)」と呼ばれるものです。エクスポージャー療法の派生形と考えて良いでしょう。

基本概念は同じ

ERPの基本概念はPEとも大差ありません。あくまで「理解と学び」「自分を理解する」「行動で確かめる」の3セットです。これをセッション単位で区切っていきます。

    <認知療法のERPアプローチについて>

  • 理解と教育
  • 行動分析
  • 適応確認
  • ERP治療

強迫性障害に対する認知療法の場合は実際の治療に移るまでの過程が長めに設定されています。適応判定をかなり慎重にするのが特徴です。

まずはお互いを知る事から!理解と教育の段階

強迫性障害に対する認知療法の第一歩は「信頼関係」です。担当医師と患者の間で確かな情報交換を行い、お互いをしっかり理解する事が大切になります。そこから具体的な疾患に関する情報の共有が始まるのです。

症状の情報を共有

実際にその症状がいつ起きたのか。どういった強迫観念や強迫行動が起こっているのかを正確に把握する段階です。何かきっかけがあったのか、今もそれは近い距離にあるのか、ここから様々な仮説が立てられます。

生活の情報を共有

日常生活の環境についての理解を深める段階です。職業や収入、結婚歴や家族構成など、詳しい生活環境を把握する事は治療においてとても重要なポイントとなります。

病気の情報を共有

医師から患者へ強迫性障害に対する正しい知識と情報を提供する段階です。治療において必要なのは「正しい知識と情報」をより多く持つ事です。誤った情報を患者が持っていると治療がまっすぐ進まなくなってしまいます。

ツールについての理解

Y-BOCSなどの治療におけるチェックツールについての目的と理解を共有する段階です。何故これが必要なのか、何故取り組むべきなのかをしっかり理解する事で治療動機を高めていきます。

悪循環の図が要!行動分析による治療

理解と教育の段階が終了すると次は行動分析の段階に進みます。ここで重要になってくるのは「悪循環の図」と呼ばれるものです。「認知の形成」にあたる取り組みだと考えておけば大丈夫です。

ERP適応を見る指標

分析対象となる行為がこの悪循環の図に当てはまるかどうかが「ERP適応」を判断するポイントとなります。基本的には「綺麗に当てはまる」が適応の前提です。

周囲への巻き込みも確認

強迫性障害は自分だけで完結している場合と他人を巻き込んでしまっている場合があり、後者を「巻き込み」と呼びます。この「巻き込み」が起こっている場合は緊急性を要する案件となるのでここで慎重な見極めが重要です。

準備が整ったら行動開始!ERP療法について

教育と理解、動機付け、そして行動分析と適応の確認。ここまで治療が進んだら次は実際にERP(曝露反応妨害法)の治療を開始する段階です。

曝露:勇気をもって行動する

ERPの「曝露」にあてはまる治療は「行動と検証」です。認知の形成によって文字化された想像と現実には実際にどれ程の差があるのかを検証します。

反応妨害:行動を我慢する

ERPの反応妨害は「強迫行為を我慢する」というものです。強迫観念は治療中も起こっている為にとても辛い事ですが、ここは理解と教育の段階で培った信念が頼りとなります。

変化は徐々に表れる!それがERPの効果

ERPは薬物療法に比べても高い効果を発揮する治療法ですが、即効性がある訳ではありません。強迫性障害の患者に対して急な変化を求める事は治療からの離脱を誘発させかねません。ですので慎重に構える必要があります。

今すぐじゃなくていい

行動分析の後に曝露と反応妨害の段階に進む。これはマニュアル通りの流れですが、ここを無理に急ぐ必要はありません。あくまで患者の状態にあわせて緩急をつける事が大事です。

医療側が患者に寄り添う

これはERPに限らず全ての認知療法のアプローチに共通するのですが、大事なのはガイドラインに従う治療では無く、患者が自ら望んで取り組める環境を整える事です。

優先すべきは患者の安心と安全。そして患者が望む形での段取りです。医療側は患者の意をくみつつ、ガイドラインに沿った流れをコントロールするのが最適な形です。

自分と向き合えば克服できる!それが強迫性障害

強迫性障害はその多くが「認知の歪み」によって作られた偏ったイメージが作り出しているものです。強迫行為を生み出すのは正に歪んだ強迫観念です。

ERPはその歪んだ認知を「目に見える形」にして「実はそうじゃないんだ」という本来の認識を「気付き」として患者に提供する優れた精神療法です。

強迫性障害は避け続けていた「自分の認知」と向き合う事で解決へと導いてくれます。まだ日本では積極的な展開を見せていませんが、薬物を使わないというメリットからも今後の日本では普及が見込まれる治療法です。

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