PTSDの改善が期待できる!認知療法のエクスポージャー療法

強烈な出来事によって心に傷を負った患者(PTSD:心的外傷後ストレス障害)に対して認知療法は高い効果を発揮します。現在のPTSDに対する認知療法はPE:持続エクスポージャーと呼ばれる治療法です。

この持続エクスポージャーは不安障害を対象としたエクスポージャー療法にPTSD特有の情報処理理論を組み合わせたハイブリット理論です。

言葉にすると非常に複雑なのですが、実際の取り組むに関してはとてもシンプルな骨組みとなっています。そこで今回はPTSDにおける認知療法のアプローチについての紹介をします。

PTSDの改善に効果的!持続エクスポージャー

PTSDに対して高い効果を発揮するアプローチ法「持続エクスポージャー」ですが、その治療適応となるには幾つかの条件があります。

トラウマ被害から30日以上経過

持続エクスポージャー療法の適応には最低でもトラウマを植え付けた出来事から30日以上が経過しており、かつ症状が依然として強く出ている事が前提となります。

トラウマ体験を語る事ができる

持続エクスポージャー療法にはトラウマと向き合うセッションが不可欠です。その為、自身の口からトラウマについて語る事ができる事が前提となります。

トラウマと距離が取れている

今現在、トラウマ被害に対して安全圏を確保できている事が前提となります。持続エクスポージャー療法は安全を何より最優先にする治療法です。心身共に安全圏になければ治療に集中する事ができません。

PTSD患者の心の中!PTSDの認知の歪み

PE(持続エクスポージャー療法)の適応となるPTSD患者の心は大きな不安と恐怖が渦巻いています。そんなPTSD患者が抱える代表的な認知構造は主に二つです。

世界には危険が溢れている

PTSD患者は世界をとても危険なものと認識しています。本当は危険ではないものまでも危険と認識している為に世界中が危険だらけに見えているのです。

自分は無力な存在だ

世界は危険に溢れている。その前提の中でPTSD患者は「自分は無力である」と感じています。その為、危険な世界と距離を置こうとして常に逃避行動に走ってしまうのです。

治療はセッションで区切る!PTSDの治療

世界を危険なものと認識し、自分を無力だと考えるPTSD患者に対する認知療法の治療は以下の流れになります。基本的にはセッション形式に区切り、何度も繰り返していく形です。

    <PTSDの持続エクスポージャー療法の流れ>

  • 心理教育
  • 自衛手段を身に付ける
  • 現実エクスポージャー患者さが避けている対象に働きかける。階層表の作成
  • 想像エクスポージャー:言葉にすることで今の自分で当時を認知、修正していく

持続エクスポージャー療法の特徴として、セッションの度に必ず「宿題」を患者に設定して自宅での取り組みを促す事があります。その為2回目以降のセッションでは宿題の確認という取り組みが追加される形になります。

心理教育・理解を促す

まず初めに行うのは「教育」です。持続エクスポージャー療法の目的を患者自身に理解してもらう事から始めます。各アプローチ法の必要性や目的の説明もこの段階で行います。

自衛手段を身に付ける

主に呼吸再調整法の学習となります。セッションの途中や自宅での取り組みの際に緊張した場合に自分で自分をコントロールする術を身に着けます。自衛手段を持っている、持っていないは心の安心感が全く違ってきますので重要です。。

現実エクスポージャー

認知療法のアプローチを使って避けている出来事、人、場所、考え方といった要素を書きだし、階層化・数値化する事で自分の中での順位を固めていきます。そして階層の低い(危険刺激が強くない)ものから順次取り組んでいきます。

想像エクスポージャー

記憶の中にある「危険な刺激」「トラウマ」に対してアプローチする段階です。文字では無く言葉にする為に患者にとって非常に負担が大きく、必ず現実エクスポージャーの段階を経てから取り組む必要があります。

重要な事は宿題の設定!生活での治療が大事

PTSDの認知療法において最も大切なポイントは「宿題」です。主に現実エクスポージャーの段階で取り組む形になるのですが、階層表の中で低いもの、今なら取り組めそうなものから取り組んでいきます。

SUDSで常に負担をモニター

現実エクスポージャーを実行する際には必ずSUDS(苦痛の主観的評価点)をつけておき、自分のストレス状態の把握をすることが大切です。

螺旋階段を上るように!ゆっくり回復を目指す

PTSDの治療は即効性を求める事はナンセンスです。薄皮をめくっていく様にゆっくりと外から中へとアプローチしていきます。必ず前進をするという意識では無く時には立ち止まることも必要です。

優先すべきは安全である

持続エクスポージャー療法の最も大切にすべき点は患者の心身の安全です。急ぎ過ぎる治療は時に心の安全を危うくする可能性がある為に医師側も慎重な対応が求められます。

日本でも注目されている!PTSDと認知療法

日本では戦争行為によるPTSDはありませんが、虐待や交通事故といった出来事から起こるPTSDが増えています。認知療法はそういった患者に対して非常に効果が高く、今後も積極的に導入されていくはずです。

ですが、現時点では認知療法はまだまだ海外が中心となっている治療法で日本では専門家も専門施設も足りていません。今は学会が立ち上がり普及・認知に向けて取り組んでいるところですので今後に注目の精神療法と言えるでしょう。

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