適応障害は甘えなのか?適応障害のこれからを真剣に考えよう!

適応障害を語る上で、必ず沸いて出る議論。それが「適応障害甘え論」です。いわゆるうつ病や統合失調症などの精神疾患については、ある程度の社会的認知が進み、それすなわち「甘え」と断じる人は、一昔前よりは減少しました。

その一方で、その症状の特徴から、依然として根強く残るのが、この「適応障害甘え論」です。今回は、適応障害は何故甘えだと言われるのか、そして、適応障害当事者と「甘え論者」の本音を暴きつつ、適応障害に対して今後、真に求められる姿勢について、論じていきます。

甘えか否かを論じる前に~適応障害について知ろう

適応障害の定義を知る

適応障害(adjustmentdisorder)の定義は、WHO(世界保健機関)が定める「ICD-10(世界保健機構の診断ガイドライン)」による定義、そしてアメリカ精神医学会が定める「DSM(精神障害の診断と統計マニュアル)」による定義の2つが主流です。

内容としては大きな差はありませんが、ここでは日本の厚生労働省のホームページに掲載されているICD-10の定義から概要を抜粋してみます。

『適応障害とは、ICD-10(世界保健機構の診断ガイドライン)によると「ストレス因により引き起こされる情緒面や行動面の症状で、社会的機能が著しく障害されている状態」と定義されています。』

簡単に言えば、適応障害は明確なストレスが原因で、気分がとても落ち込んだり、学校や会社に行けなくなったりする心の病気ということです。もちろん、実際の定義はもうちょっと専門的で複雑ですが、一般的にはこのように捉えてもらって大丈夫です。

適応障害のその他の特徴について

適応障害の概要は上記のとおりです。ですが、適応障害と甘えを考えるために、その他の特徴についても簡単に押さえておきます。(ICD-10とDSMでは若干の違いがありますが、ここでは厳密な定義の説明はせず、定義から読み取れる一般的な特徴について記します)

    <適応障害の特徴>

  • ①原因となるストレスを受けてから数か月以内に(比較的短い期間で)症状が出る
  • ②うつ病や他の精神障害が原因ではない
  • ③死別反応ではない
  • ④ストレスが取り除かれば通常半年以内には治る(短い期間で完治可能な病気である)

ここで分かりにくいのは③の死別反応ではないという特徴ですが、これは簡単に言えば、「近しい人の死によって一時的にとても憂鬱な気分になったりすることが人間にはあるが、それではない」ということです。これらの特徴を踏まえると、適応障害はそこまで重たい病気ではないということが分かるでしょう。

適応障害が甘えと思われるのは何故?その原因を考える

適応障害の特徴から見えてくること

適応障害の特徴を鑑みると、次のようなことが見えてくるでしょう。それは、「当人がストレスに対処できるかどうかで、適応障害になる・ならないが決まる」ということ、「ストレスがなくなれば、割と短期間で治る」ということです。

そして、この二つの特徴が、「適応障害甘え論」を生み出す原因となるのです。

「甘え論」が噴出しない適応障害もある

ただし、これらの特徴を踏まえても、「甘え論」が噴出しないものもあります。それは、「子供や老人の適応障害」「災害被災者の適応障害」です。適応障害の定義上、子供も大人も適応障害になり得ます。また、ストレス因というのも多岐に渡るため、災害に遭ったことによるストレスが原因の適応障害というのも、もちろんあり得ます。

しかしながら、普通子供やお年寄りが適応障害になった時に、「お前は甘えている」という人がどれほどいるでしょうか。子供が学校でいじめに遭い、それによって適応障害を発症したとして、それを甘えと断じる人はまずいないでしょう。

また、誰もが衰える老年期に、重病を患ったストレスで適応障害を発症したとして、それを甘えと断じる人もまずいません。言わずもがなですが、突然の天変地異で被災した人が適応障害になっても甘えとは言わないでしょう。

「甘え論」が噴出する適応障害とは何か

では、上記を踏まえた上で、「甘え論」が噴出する適応障害とは何かを考えます。子供でもお年寄りでもない、災害被災者でもない……となれば、答えは自ずと分かります。

つまり、「社会人の適応障害」に対して、甘え論が噴出するのです。

したがって、ここから先は、「社会人の適応障害」を前提として、適応障害を発症した当事者の本音、そしてその周囲の「甘え論者」の本音について、ズバリ説明していきます。

甘えだと言われても……当事者の本音とは?

「辛いものは辛いんだ!」

適応障害に罹った当事者は、実際に抑うつ気分に支配されたり、頭痛や吐き気が止まらなかったりと、現実に辛い思いをしています。そして何より、適応障害は精神障害の一つとして認められているわけですから、「甘え」と言われるととても悲しい、あるいは腹が立つのです。

そもそも、適応障害以外のどんな病気でも、「甘え」「自己管理がなってない」こういう風に言われてしまうと、例えそれが事実だとしても、傷つくものです。

「でも……」当事者に現れる「自責の念」

とはいえ、当事者はただ「甘え」と言われることに対して反感を抱くだけではありません。適応障害の特徴を思い出してください。適応障害は、ストレスに対処できるかどうかで、発症するかどうかが分かれる病気です。ということは、逆に言えば、同じような状況下でも、適応障害になる人とならない人が出てくるわけです。

そうすると、当事者は例えばこう考えるようになります。

「確かに自分は会社に行けないほど辛い。でも、他の社員が全員自分のように適応障害を患ってはいない。同じ上司、同じ仕事量、同じ仕事内容なのに、自分だけがこんな状態になってしまった。自分はこんなにストレスに脆い人間だったのか。大人として、社会人としてこんなことでこれからやっていけるのだろうか。こんな自分が情けなくてしょうがない……」

このような具合に、自分を責めるわけです。

当事者はこのように、「自分の症状への無理解に対して苛立ちを覚える反面、自分のストレス対処能力の無さを責め、恥じる」というアンビバレントな状態に陥りがちです。中にはどちらか一方の感情だけが強く出る人もいるでしょうが、大半はこの二つの感情が入り交じることが多いのです。これが当事者の本音なのです。

甘えじゃないと言われても……「甘え論者」の本音とは?

「ずいぶんあっさり元気になったね?」

一方、「甘え論者」の方は何故甘えだと感じてしまうのか。これも、適応障害の特徴を思い出せば答えが見えてきます。

適応障害は、ストレスが取り除かれれば比較的短い期間で症状がなくなります。これは人によりけりですが、極端な例を挙げると、会社には行きたくないけど、診断書をもらって会社にいかなくて済むようになった瞬間、嘘みたいにすぐ元気を取り戻すケースもあります。そして本人は元気なものだから、会社以外の場所では生き生きと活動したりします。

こういう姿を目撃してしまうと、「何だ、あいつ。あれだけ辛い辛いと言っていたのに診断書をもらった瞬間あっさり元気になりやがって。本当はただサボりたいだけの甘ちゃんなんじゃないの?」こう思う人が出てきてしまうわけです。

「私だって辛い状況なんですが?」

また、こう思う人も出てきます。これは当事者が感じる自責の念を、第三者が評価したものとも言えます。

「私だって上司に怒鳴られ、お客さんに怒鳴られ、不愉快な思いをしながら我慢して必死に働いているんだ。なのにあいつは適応障害だと言って逃げやがった。自分だって休めるもんなら休みたいよ。でも我慢してやってるんだ。あいつは本当に心の弱い甘ちゃんな奴だな」こんな感じです。

どちらも適応障害の無理解からくる心ない発言ではあります。しかしながら、適応障害を正しく理解している人は決して多くありません。そして、人間誰しも心の暗い側面を持っているものです。だから相手を責めていいということではありませんが、これもまた、「甘え論者」の嘘偽りない本音だと言えます。

「適応障害甘え論」の本質~人のこころは十人十色

ということで、当事者、そして「甘え論者」の本音について、赤裸々に綴ってきました。当事者と「甘え論者」の溝は深く、「適応障害甘え論」の解決は先が見えません。何せ、人のこころの問題ですから、こうすればすっきり解決する、という明快な答えはないからです。

甘え論の本質は、まさにここにあります。人のこころはとても複雑で、一人一人が異なったこころを持っています。その中で、異なったこころのあり方を持つ者同士が対立してしまう。ここでは適応障害について述べましたが、他の精神障害についても、あるいは精神障害ではなくても、こうした対立は起こり得るものなのです。

ただ、適応障害は定義もあいまいで症状も多岐に渡るため、特にこうした対立が目立つ印象を受けます。

まとめ~甘え論を超えた先に

そんな根深い「適応障害甘え論」ですが、はっきり言ってしまうと、この議論に決着をつけることは不可能ですし、そもそも白黒つけることに意味はありません。

仮に適応障害が単なる甘えだとか怠けだとか未熟だとか、科学的に証明されたとしても、現実として、憂鬱な気分になり、学校や会社に行けなくなる人は存在し続けるからです。

「適応障害は甘えでした」、そう結論づけたところで、当事者が元気になることは決してありません。

これからの時代は、こうした甘え論自体を超えていかなければいけません。例え甘えであろうがなかろうが、真に目指すべきは「誰もが心健やかに生きていける世の中にしていく」ということです。

そしてそのためには、「甘え論者」だけが自身の無理解や価値観の押しつけを反省するだけでは足りません。適応障害に罹った当事者も、「どうしたら元気になれるだろうか、そのために何か自分にできることはないだろうか」ということを、真剣に考えなければなりません。

実は、甘え論を超えるには、甘え論を唱える側よりも、むしろ当事者側の姿勢の方が重要なのです。なぜかと言えば、当事者側が適応障害を克服することを怠るならば、甘え論うんぬん以前に、元気でこころ健やかな人が増えることはないからです。

現在、適応障害に罹っている方には厳しい言い方になるかもしれませんが、適応障害であることを自覚しながら、適切な治療を受けなかったり、医者の指示に従わなかったりするのは論外です。

「適応障害は甘え」とは言いません。が、「適応障害に甘え」てはいけないのです。

甘え論を唱える人は少しでも相手に対する理解を試みて下さい。そして適応障害に罹った方は、まずはゆっくり休養をとっても構いませんが、最終的にはきちんと病気に向き合い、適切な治療を受け、再発防止に努めて下さい。

こうした流れを生み出していけば、いつの間にか甘え論などどうでもよくなっていることでしょう。いつの日か、このような議論を超えた世の中が到来することを祈りつつ、筆を置くこととします。

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