今更誰にも聞けない!認知療法が生まれた歴史について

最近、ADHD(注意欠如多動性障害)やうつ病等の治療法として話題になっているのが「認知療法」であり「認知行動療法」です。

ですが「認知療法」にせよ「認知行動療法」にせよ「そういう治療法があるんだ」という認知こそ進んでいますが具体的に何を目的とした治療法であり、どのような治療手順を踏むのかについてはまだ理解が進んでいません。

認知療法は「うつ病」「ADHD」だけでなく「発達障害」から「社会不安症」「強迫性障害」など幅広い疾患に対して高い効果が実証されている優れた精神療法であり心理療法なのです。

そこで認知療法とはどのようにして生まれたのか。そしてどのような治療法なのか、という点について今回は紹介していきます。

実は歴史ある精神療法!それが認知療法

認知療法が一般に知られるようになったのは本当にここ数年の話です。国営放送等でも積極的に治療法として紹介されるようになってきました。

精神療法となるとどうしても「頭にヘッドギアをつけて取り組む変な治療」というイメージが強かったのですが、決してそういうものではないという事が理解されつつあります。

認知療法はアメリカ生まれ

認知療法は1970年代のアメリカで産声をあげました。父親は精神科医としてうつ病の分析・研究にあたっていたアーロン・ベックです。

ベックはうつ病の臨床に置いて医学上の理論と臨床における実際との乖離が余りに多い事に疑問を抱き、臨床に沿った最適な概念を模索し始めた、というのが始まりです。

うつ病患者の特徴を発見した

うつ病患者の分析を進めていたベックは「うつ病患者に共通する思考」がある事に気付きました。それをまとめると以下の様になります。

    <うつ病患者に共通する思考>

  • 基本的に意見は否定的
  • 物事をネガティブに捉える
  • 自分自身すら否定する

このようなうつ病患者特有の思考プロセスを「認知機能の異常=認知の歪み」と定義し、この思考プロセスがうつ等の病状を招いている要因であると考えたのです。

認知機能の異常を分析対象に

うつ病患者に共通している「認知機能の異常」こそがうつ病という病理状態を引き起こす要因であると考えたベックは、この「認知機能の異常」を生み出すメカニズムに注目し治療対象としました。

これが認知療法のはじめの一歩と呼ばれています。今でこそ社会不安障害や強迫性障害など様々な精神疾患に適応を持つ認知療法ですが、始まりは「うつ病」の治療法として始まったものなのです。

認知療法の成長期!弟子が受け継いだ志

アーロン・ベックによる認知療法の理論は弟子のデビッド・D・バーンズによって継承されました。認知機能の異常を更にわかりやすく「認知の歪み」として言語化し、研究のハードルを更に引き下げたのです。

認知の歪みとは歪んだ思考プロセス

デビッド・D・バーンズが提唱した「認知の歪み」とは目の前で生じている出来事を常に悲観的、否定的に受け止めてしまう心の状態を指します。

自分にとって不幸な出来事が起こったのではなく、その出来事を自分が不幸なものだと考えてしまう・受け止めてしまう「偏った物事の捉え方」の事です。

現代的な言い方をするなら「冷めている」「マイナス思考」「ネガティブ思考」と呼ばれる物事の考え方・捉え方です。つまり常に重たく物事を受け止めてしまうのです。

この思考プロセスを再構築しない限りは永遠のループになると考えたデビッド・D・バーンズはこの思考プロセスの修正を明確な目的として認知療法を更に昇華させたのです。

どうやって生まれてくる?認知の歪みの発症プロセス

認知の歪みとは何事も前向きに捉える事ができなくなる精神状態を指します。常に否定的な事、ネガティブな可能性を考えて結びつけてしまう。

生まれながらにその様な思考プロセスを持っていたのでしょうか?決してそんなことはありません。やはりそれなりに理由があって生じてしまう事なのです。

過去の経験が色濃く出てくる

認知の歪みが生まれる理由は色々議論がなされており、まだ明確な答えが導き出されている訳ではありません。恐らく一生出ないでしょう。

ですが、大きな要因となるものが幾つか明らかになっています。その一つが「過去の経験」です。認知が歪むとは否定的に物事を受け止めるという事です。その思考習慣が身に付いてしまっている場合、幼少期の家庭環境が大きく影響しています。

    <認知の歪みを生み出す過去の経験>

  • 自分自身を否定されていた
  • 自分自身を認めてもらう機会が無かった
  • 成功体験が自分の中に存在していない

つまり「自分の居場所」が確保されていなかったという事です。自分を受け入れられる経験が余りに浅い為に物事を基本「否定的」に捉えるしかできなくなった訳です。

歪みというより歪んだ正常

過去の生活の中で徐々に否定的・悲観的な思考プロセスが構築されていった場合、それを「歪み」と表現すべきかは非常に難しいです。

歪むも何もそれが「普通」の環境で育っただけの話です。それが「日常」であり思考が歪んだ訳では無いのです。その点の解釈は「認知の歪み」の定義に関わる為に今後も議論が必要です。

行動療法が合流!認知療法の更なる進化

認知療法は歴史の中で更なる進化・発展を遂げました。行動療法との合流です。これが認知行動療法の始まりとなります。

理解する認知と解決する行動

認知療法は基本的には「理解する」事がポイントとなる療法です。自分の中に根付いているネガティブな思考プロセスを自分自身が理解する事。そこが重視されます。

一方の行動療法は実際に行動する事で根付いた習慣に修正・微調整をかけていく治療法です。これは認知療法と非常に相性が良いのです。

自分で自分を修正する

認知療法によって自分が物事をどのように受け止めるのか、それが明らかにされていきます。そして他にはどのような受け止め方があるのかも明確にされます。

今までの自分を理解して、今までの自分とは少し違う自分の選択肢を知るという事です。その選択肢を行動療法によって実際に選び、それによって自分はどう感じるのかを再び分析します。この一連の流れを可能にするのが認知行動療法の特徴です。

治療の基本は同じ!認知と認知行動療法

認知行動療法が先に世の中に認知される状況になったからか「認知療法と認知行動量は一緒なの?それとも別なの?」という疑問を持つ人が多いです。

今回の記事で紹介したように、この二つの療法は同じ線上にある治療法で前か後かというだけの話です。基本的には共通している点が多いので同類の治療法と考えて良いです。

認知療法にも行動療法的なものがある

認知療法には行動療法的なものがないから別の治療法なんだ。という意見もありますが決してそういう訳ではありません。重なっている部分が非常に多いです。

認知療法の中にも色々なアプローチ法があり、その中には行動療法に非常に近い内容のものもあります。ですので認知療法と認知行動療法は繋がっている治療法といえるのです。

対象疾患も増加中!進化し続ける認知療法

認知療法は元はうつ病の治療法として始まりました。ですが、今はうつ病に限らず「強迫性障害」「パーソナリティ障害」「神経症」「パニック障害」など様々な精神疾患への応用が進んでいます。

日本でも「うつ病」「社会不安障害」「ADHD」「PTSD」「発達障害」などでの応用が期待されています。それぞれの疾患に合わせたマニュアルの整備も進んでいるところです。

医学的に効果が証明されている疾患はまだ少ないですが、臨床の場からはその効果についての報告が上がってきているので、今後も認知療法の活躍の場は広がっていくでしょう。唯一の課題は「専門施設の充実」です。

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私は認知療法を取り入れることで、うつを克服することが出来ました。また、認知療法でうつを克服した人は多くいます。ですが、認知療法を実践するのは簡単ではありません。そこで、認知療法の専門家が作成したDVDを見るだけで実践が出来るプチ認知療法があります。それを実践すると、認知療法を気軽に実践することが出来、結果として、うつを克服することが出来ます。

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